京都嵯峨の落柿舎裏にひっそりと残っている。その規模の小さなことは、高浜虚子の歌「凡そ天下に去来ほどの小さき墓に詣でけり」がよく表している。
去来宛書簡1 (貞亨3年閏3月10日)
去来宛書簡2
(元禄2年12月下旬)
去来宛書簡3
(元禄3年7月下旬)
去来宛書簡4
(元禄3年8月)
去来宛書簡5 (元禄3年12月23日)
去来宛書簡6 (元禄4年3月9日)
去来宛書簡7 (元禄4年7月12日)
去来宛書簡8 (元禄4年9月9日)
去来宛書簡9 (元禄5年2月18日)
去来宛書簡10 (元禄5年5月7日)
去来宛書簡11
(元禄5年9月8日)
去来宛書簡12
(元禄7年1月29日)
去来宛書簡13 (元禄7年閏5月18日)
去来宛書簡14 (元禄7年8月9日)
去来宛書簡15 (元禄7年9月10日)
去来宛書簡16 年次不詳
一畦はしばし鳴きやむ蛙哉(『蛙合』)
岩鼻やここにもひとり月の客 (『去来抄』)
何事ぞ花みる人の長刀 (『あら野』)
名月や海もおもはず山も見ず (『あら野』)
月雪のためにもしたし門の松 (『あら野』)
鶯の鳴や餌ひろふ片手にも (『あら野』)
うごくとも見えで畑うつ麓かな (『あら野』)
いくすべり骨おる岸のかはづ哉 (『あら野』)
あそぶともゆくともしらぬ燕かな (『あら野』)
筍の時よりしるし弓の竹 (『あら野』)
涼しさよ白雨ながら入日影 (『あら野』)
秋風やしらきの弓に弦はらん (『あら野』)
湖の水まさりけり五月雨 (『あら野』)
榾の火に親子足さす侘ね哉 (『あら野』)
手のうへにかなしく消る螢かな (『あら野』)
ねられずやかたへひえゆく北おろし (『あら野』)
鴨鳴くや弓矢を捨てて十余年(『いつを昔』)
露烟此の世の外の身請け哉(『続虚栗』)(遊女の死に向けて)
いなづまやどの傾城とかり枕 (『梟日記』)
箒こせまねてもみせん鉢叩き (『いつを昔』)
つかみあふ子供の長や麦畠 (『嵯峨日記』 『去来抄』『猿蓑』)
蝸牛たのもしげなき角振りて (『嵯峨日記』)
一昨日はあの山越へつ花盛り (『花摘』)
花守や白きかしらを突あはせ(『蘆獅子集』・『炭俵』)
振舞や下座になをる去年の雛 (『猿蓑』)
あら礒やはしり馴たる友鵆 (『猿蓑』)
尾頭のこゝろもとなき海鼠哉 (『猿蓑』)
ひつかけて行や吹雪のてしまござ (『猿蓑』)
うす壁の一重は何かとしの宿 (『猿蓑』)
くれて行年のまうけや伊勢くまの (『猿蓑』)
心なき代官殿やほとゝぎす (『猿蓑』)
たけの子や畠隣に悪太郎 (『猿蓑』)
つゞくりもはてなし坂や五月雨 (『猿蓑』)
百姓も麥に取つく茶摘哥 (『猿蓑』)
螢火や吹とばされて鳰のやみ (『猿蓑』)
夕ぐれや屼並びたる雲のみね (『猿蓑』)
はつ露や猪の臥芝の起あがり (『猿蓑』)
みやこにも住まじりけり相撲取 (『猿蓑』)
君が手もまじる成べしはな薄 (『猿蓑』)
月見せん伏見の城の捨郭 (『猿蓑』)
かゝる夜の月も見にけり野邊送 (『猿蓑』)
一戸や衣もやぶるゝこまむかへ (『猿蓑』)
柿ぬしや梢はちかきあらし山 (『猿蓑』)
梅が香や山路獵入ル犬のまね (『猿蓑』)
ひとり寝も能宿とらん初子日 (『猿蓑』)
鉢たゝきこぬよとなれば朧かな (『猿蓑』)
うき友にかまれてねこの空ながめ (『猿蓑』)
振舞や下座になをる去年の雛 (『猿蓑』)
知人にあはじあはじと花見かな (『猿蓑』)
鳶の羽も刷ぬはつしぐれ (『猿蓑』)
鶏もばらばら時か水鶏なく (『猿蓑』)
春や祝ふ丹波の鹿も帰とて (『炭俵』)
朧月一足づゝもわかれかな (『炭俵』)
うのはなの絶間たゝかん闇の門 (『炭俵』)
すヾしさや浮洲のうへのざこくらべ (『炭俵』)
名月や掾(縁)取まはす黍の虚 (『炭俵』)
芦のほに箸うつかたや客の膳 (『炭俵』)
瀧壺もひしげと雉のほろゝ哉 (『續猿蓑』)
のぼり帆の淡路はなれぬ汐干哉 (『續猿蓑』)
萬歳や左右にひらひて松の陰 (『續猿蓑』)
立ありく人にまぎれてすヾみかな (『續猿蓑』)
寐道具のかたかたやうき魂祭 (『續猿蓑』)
凉しくも野山にみつる念仏哉 (『續猿蓑』)(『去来抄』)
白川の屋根に石おく秋の風(『伊勢紀行』)
五六本よりてしだるゝ柳かな
小袖ほす尼なつかしや窓の花
死顔のおぼろおぼろと花の色
凩の地にもおとさぬしぐれ哉 (『去来抄』)
猪のねに行かたや明の月 (『去来抄』)
散銭も用意がほ也はなの森 (『去来抄』)
手をはなつ中に落ちけり朧月 (『去来抄』)
玉棚のおくなつかしやおやのかほ (『去来抄』)
いそがしや沖のしぐれの眞帆かた帆 (『去来抄』)
兄弟のかほ見るやミや時鳥 (『去来抄』)
青みたる松より花の咲きこぼれ (『去来抄』)
弓張の角さし出す月の雲 (『去来抄』)
電のかきまぜて行闇よかな (『去来抄』)
應々といへどたゝくや雪のかど (『去来抄』)
幾年の白髪も神のひかり哉 (『去来抄』)
元日や土つかふたるかほもせず (『去来抄』)
盲より唖のかはゆき月見哉 (『去来抄』)
時雨るゝや紅粉の小袖を吹きかへし (『去来抄』)
あくるがごとく小糠雨降る (『去来抄』)