(元禄7年8月9日)
(この間、脱落)
(おりおりや あまどにさわる おぎのこえ)
(はなすところに おらぬまつむし)
(あれあれて すえはうみゆく のわきかな)
(つるのかしらを あぐるあわのほ)
江戸・大津の状ども:江戸や大津から去来気付で届いた手紙を飛脚に持たせて寄越したのであろう。このことから、芭蕉は上野に来る以前に去来亭にいたらしいことが分かる。
素牛:別号維然。Who'sWho参照
丈草:Who'sWho参照
「鶴」は、常体の気色に落ち申すべく候や:「常体」は、ありふれたの意。「鶴」の句は、ありきたりの句になってしまいましたようですね、の意。
九月の御神事:伊勢神宮の新穀感謝の神事。この神事を見ながら素牛を訪問するかもしれないと言いながら、結局芭蕉は参宮していない。
高橋条助殿:曲水の弟で俳号怒誰<どすい>。膳所藩士。その怒誰が、京都に行ったおり去来と会って語り合ったと、去来の前便にあったのだろう。
御無心申し進じ申すべく候:また、江戸への手紙を出してもらうことになるであろう、の意。当時の飛脚便は高額であったので、去来のような金持ちに依頼せざるを得なかったのである。