酒部屋に琴の音せよ窓の花 (『続猿蓑』)
衣更着のかさねや寒き蝶の羽 (『続猿蓑』)
無菓花や廣葉にむかふ夕涼 (『続猿蓑』)
粘ごはな帷子かぶるひるねかな (『続猿蓑』)
更行や水田の上のあまの河 (『続猿蓑』)
松茸や都にちかき山の形 (『続猿蓑』)
肌寒き始にあかし蕎麥のくき (『続猿蓑』)
水仙の花のみだれや藪屋しき (『続猿蓑』)
冬川や木の葉は黒き岩の間 (『続猿蓑』)
木枯や刈田の畔の鐵氣水 (『続猿蓑』)
煤掃や折敷一枚踏くだく (『続猿蓑』)
天鵞毛のさいふさがして年の暮 (『続猿蓑』)
濱荻に筆を結せてとしの暮 (『続猿蓑』)
かなしさや麻木の箸もおとななみ (『続猿蓑』)
別るゝや柿喰ひながら坂の上 (『続猿蓑』 )
見せばやな茄子をちぎる軒の畑(『藤の実』)
のらくらとただのらくらとうあれよ春 (『宝永四丁亥歳旦帖』)
水草の薦にまかれん薄氷 (『藤の実』)