芭蕉db
甲戌の夏大津に侍りしを、兄のも
とより消息せられければ、旧里に
帰りて盆会を営むとて
家はみな杖に白髪の墓参り
(続猿蓑)
(いえはみな つえにしらがの はかまいり)
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甲戌(こうじゅつ)の年、元禄7年7月15日、51歳。寿貞尼の死の供養の気持ちもこめて兄松尾半左衛門の求めに応じて大津から帰郷して、一家総出の墓参となった。これが芭蕉にとって生涯最後の墓参り。このとき、「
数ならぬ身とな思ひそ玉祭り
」も詠んでいる。
家はみな杖に白髪の墓参り
兄半左衛門などの白髪を通して己の老いを見ている。なお、『陸奥鵆』では、
一家みな白髪に杖や墓参り
とある。これが初案らしい。
上野市農人町愛染院にある故郷塚(牛久市森田武さん撮影)