（制作年代順）

寛文年間

元年　2年　4年　5年　6年　7年　8年　9年　10年　11年　12年　不明

延宝年間

天和年間

貞亨年間

元禄年間

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• 春や来し年や行きけん小晦日

• 年は人にとらせていつも若夷　

• 京は九万九千くんじゅの花見哉

• 花は賤の目にも見えけり鬼薊

• 時雨をやもどかしがりて松の雪　時雨をばもどきて雪や松の色

• 花の顔に晴うてしてや朧月

• 盛りなる梅にす手引く風もがな

• あち東風や面々さばき柳髪

• 餅雪を白糸となす柳哉

• 花に明かぬ嘆きや我が歌袋　花にあかぬ嘆きやこちの歌袋

• 春風に吹き出し笑う花もがな

• 夏近しその口たばへ花の風

• うかれける人や初瀬の山桜

• 糸桜こや帰るさの足もつれ

• 風吹けば尾細うなる犬桜

• 五月雨に御物遠や月の顔

• 降る音や耳も酸うなる梅の雨

• 杜若似たりや似たり水の影

• 夕顔に見とるるや身もうかりひよん

• 岩躑躅染むる涙やほととぎ朱

• しばし間も待つやほととぎす千年

• 秋風の遣戸の口やとがり声

• 七夕の逢はぬ心や雨中天

• たんだすめ住めば都ぞ今日の月

• 影は天の下照る姫か月の顔

• 荻の声こや秋風の口うつし

• 寝たる萩や容顔無礼花の顔

• 月の鏡小春に見るや目正月

• 萎れ伏すや世はさかさまの雪の竹

• 霰まじる帷子雪は小紋かな

• 霜枯に咲くは辛気の花野哉 

• 桂男すまずなりけり雨の月

• 波の花と雪もや水の返り花 

• うち山や外様しらずの花盛り

• 五月雨も瀬踏み尋ねぬ見馴河

• 春立つとわらはも知るや飾り縄

寛文12年（1672年）芭蕉29歳

• きてもみよ甚平が羽織花衣

• 女男鹿毛に毛が揃うて毛むつかし

• 雲とへだつ友かや雁の生き別れ

• 美しきその姫瓜や后ざね

• 夏木立佩くや深山の腰ふさげ 

• 花にいやよ世間口より風の口

• 目の星や花を願ひの糸桜

• 命こそ芋種よまた今日の月

• 文ならぬいろはもかきて火中哉

• 人ごとの口にあるなりした椛

• 植うる事子のごとくせよ児桜

• たかうなや雫もよよの篠の露

• 見るに我も折れるばかりぞ女郎花

• けふの今宵寝る時もなき月見哉

• 見る影やまだ片なりも宵月夜