芭蕉db

餅雪を白糸となす柳哉

宗房

(続山井)

(もちゆきを しらいととなす やなぎかな)

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 寛文7年、24歳の若い作。貞門風の定型句。

餅雪を白糸となす柳哉

 「餅雪」とはぼたん雪のこと。「白糸」は白糸餅のことらしい。白糸餅はしんこ細工で作った長くねじったお菓子のこと。牡丹雪がふって木々にこんもりと雪が積もっているが、なかでも柳の垂れ下がった枝についた雪はまるで白糸餅のようだ、というのである。牡丹雪は春の到来を告げる名残の雪でもあり、一句にはそんな季節の回復を寿ぐ気分が入っている。