芭蕉db
(生年不詳)
子は裸父はてゝれで早苗舟 (『炭俵』)
初日影我莖立とつまればや (『炭俵』)
梅さきて湯殿の崩れなほしけり (『炭俵』)
長閑さや寒の残りも三ケ一 (『炭俵』)
鶯の一聲も念を入にけり (『炭俵』)
町なかへしだるゝ宿の柳かな (『炭俵』)
昆布だしや花に気のつく庫裏坊主 (『炭俵』)
おちつきは魚やまかせや櫻がり (『炭俵』)
麻の種毎年踏る桃の華 (『炭俵』)
梅さくらふた月ばかり別れけり (『炭俵』)
扇屋の暖簾白し衣がへ (『炭俵』)
時鳥啼々風が雨になる (『炭俵』)
刈こみし麥の匂ひや宿の内 (『炭俵』)
改て酒に名のつくあつさ哉 (『炭俵』)
もち汐の橋のひくさよけふの月 (『炭俵』)
柿のなる本を子どもの寄どころ (『炭俵』)
蕎麦切に吸物もなき寒さ哉 (『炭俵』)
刈りこみし麦の匂ほいや宿の内
(元禄7年5月8日芭蕉最後の江戸出立の折)
草枯に手うつてたゝぬ鴫もあり (『續猿蓑』)