江戸の人だが、後に京に住む。通称小兵衛。野坡や利牛とともに、『炭俵』の編集に参加。『続猿蓑』・『続虚栗』などに入集。
空豆の花さきにけり麥の縁 (『炭俵』)
目下にも中の詞や年の時宜 (『炭俵』)
土はこぶ籮にちり込椿かな (『炭俵』)
朝めしの湯を片膝や庭の花 (『炭俵』)
折かへる櫻てふくや臺所 (『炭俵』)
藪垣や馬の貌かくもゝの花 (『炭俵』)
星合にもえ立紅やかやの縁 (『炭俵』)
こうろぎや箸で追やる膳の上 (『炭俵』)
箕に干て窓にとちふく綿の桃 (『炭俵』)
鍋ぶたのけばけばしさよ年のくれ (『炭俵』)
夕波の船にきこゆるなづな哉 (『續猿蓑』)