芭蕉db

安川落梧

やすかわ らくご

(〜元禄4年(1691)5月、享年40歳)

Who'sWho/年表basho


 貞亨5年以来の美濃の門人。通称助右衛門。呉服商を営む萬屋<よろずや>の主人。『笈日記』などに入 集。『瓜畠集』を編集したが、病魔に倒れて未完に終わった。長良川に近い稲場山城の山陰に別邸を持ち、『笈の小文』の旅の途次、芭蕉はここへ立ち寄った。
 「奥の細道」に出立する直前の元禄2年3月23日に、芭蕉は落梧宛に紙一束受贈の礼状を書いており、これが「奥の細道」出発の日付確定に貢献したという「功績」がある。


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落梧宛書簡(元禄2年3月23日)


落梧の代表作

晴ちぎる空鳴行やほとゝぎす (『あら野』)

ふたつ社老にはたらねとしの春 (『あら野』)

藪見しれもどりに折らん梅の花 (『あら野』)

鳴立ていりあひ聞ぬかはづかな (『あら野』)

飛入てしばし水ゆく蛙かな (『あら野』)

鳥飛であぶなきけしの一重哉 (『あら野』)

今朝は猶そらばかり見るしぐれ哉 (『あら野』)

縫ものをたゝみてあたる火燵哉 (『あら野』)

餘所の田の蛙入ぬも浮世かな (『あら野』)

似た顔のあらば出てみん一躍り (『あら野』)

冬ざれや祢宜のさげたる油筒 (『あら野』)

初雁に行燈とるなまくらもと(『猿蓑』)