芭蕉db

五月雨の空吹き落せ大井川

(有磯海)

(さみだれの そらふきおとせ おおいがわ)

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 元禄7年5月、芭蕉最後の西上の旅の途次。51歳。大井川の増水で芭蕉は島田に3日間足止めをくらった。塚本如舟に世話になった折の句。なお、このとき、「苣はまだ青葉ながらに茄子汁」・「駿河路や花橘も茶の匂ひ」・「たわみては雪待つ竹の気色かな」もここで詠んだ。

五月雨の空吹き落せ大井川

 濁流渦巻く大井川よ、いっそのこと五月雨の空を吹き落としてくれ。力強く、「最上川」に匹敵する五月雨の句。芭蕉は五月雨の表現の実にうまい詩人である。


島田市宗長庵跡の句碑(牛久市森田武さん提供)