芭蕉db

森五介(許六)宛書簡

(元禄5年12月28日 芭蕉49歳)

書簡集年表Who'sWho/basho


     臘月*廿八日
  森五介様                         芭蕉
        キ様
御芳墨、殊さまざま被賢慮、草庵賑はし申候*。煎茶李由手作にて可御座、御すそわけ一入賞玩可仕候*。唐帋地被御下候由、識筆仕可御目*。又々淡州公*へ御見舞申候はゞ、一宿がけに御尋と兼奉存候へ共*、寒キ打続候故、春十日過にと存候。其節伺向(候)仕候。明日自然御入来と被仰下*。珍重たるべく候。何とぞ年の名残所仰候*。李由会、千那も不捨候由、珍重の事に存候*。 以上
尚々御音物ども御心をくだかれ候と相見え*、重宝之事共饋被下忝*、乍去少おびたゞしく痛入奉存候*。珍碩は江戸の市へ梅かい(ひ)に遺し候故、不貴報候*。

 

 深川芭蕉庵から森五介こと許六に宛てた書簡。李由からの贈り物を含めて許六からのお歳暮が大量に届けられたことへの謝礼の書状である。この時期の芭蕉・許六の濃密な親交のさまを窺い知ることが出来る。