芭蕉db

曲水宛書簡

(元禄4年1月5日 芭蕉48歳)

書簡集年表Who'sWho/basho


 いねいねと人にいはれても*猶喰あらす旅の
  やどり、どこやら寒き居心を侘びて

住つかぬ旅のこころや置炬燵

 まだ埋火の消やらず*、朧月末京都を退出、
 乙州が新宅に春を待て

人に家をかはせて我はとし忘れ

 三日口を閉て題正月四日*

大津絵の筆のはじめは何佛

金平が分別のごとく*、ことしは休に致候而、歳旦おもひもよらず候へば、如此御座候。
    正月五日                         はせを
  曲水様

 大津から、江戸在勤中の膳所蕉門の曲水に近作を知らせるために宛てた書簡。