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時雨るゝや紅粉の小袖を吹きかへし

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時雨るゝや紅粉の小袖を吹きかへし     去來

正秀曰、いとに寄のたぐひ、去來一生の句くずなり*。去來曰、正秀が評、いまだ解し得ず。予ハたゞ時雨もてくるあらしの路上に、紅粉の小袖吹かへしたるけしき、紅葉落おろす山おろしの風ト、ながめたる上の俳諧なるべしと作し侍るのミ也*