芭蕉DB

野ざらし紀行

(熱田神宮)


熟(熱)田に詣

 社頭大イニ破れ*、築地はたふれて草村にかくる*。かしこに縄をはりて小社の跡をしるし*、爰に石をす(ゑ)て其神と名のる*。よもぎ、しのぶ、こゝろのままに生たるぞ、中なかにめでたきよりも心とヾまりける*

しのぶさへ枯て餅かふやどり 哉

(しのぶさえ かれてもちかう やどりかな)


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表紙 年表


しのぶさへ枯て餅かふふやどり哉

「しのぶ」は、掛詞となっていて、枯れた「忍ぶ草」が風にゆれている廃虚の熱田神宮と、「昔を偲ぶ」縁の無い荒廃ぶりの神社の姿である。その熱田神宮を茶店の縁台で餅を食いながら見ているというのである。