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芭蕉DB
野ざらし紀行
(不破の関)
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不破*
(あきかぜや やぶもはたけも ふわのせき)
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表紙 年表
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秋風や薮も畠も不破の関
9月の初め頃の作。伊吹おろしの不破の関はすでに晩秋の気をたっぷり漂わせていたに相違ない。それゆえ、藤原良経の歌「人住まぬ不破の関屋の板びさし荒れにしのちはただ秋の風」(『新古今和歌集』)をふまえて作ったが、その俳諧化は見事と言うほかない。これも『野ざらし』中の秀句の一つ。
「秋風や・・」の句碑(牛久市森田武さん提供)
不破:岐阜県不破郡関ヶ原町大字松尾。歌枕。壬申の乱・関が原の合戦など幾多の天下を分ける騒乱の場となった。養老7年(721年)にでき、伊勢の鈴鹿・越前の愛発(あらち)と並んで三関の一つ。平安時代末期には廃止された。