芭蕉DB

野ざらし紀行

(常盤塚)


 やまとより山城を經て、近江路に入て美濃に至る。います・山中*を過て、いにしへ常盤の塚有*。伊勢の守武*が 云ける、よし朝殿に似たる秋風とは、いづれの所か似たりけん。我も又、

義朝の心に似たり秋の風

(よしともの こころににたり あきのかぜ


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表紙 年表


義朝の心に似たり秋の風

月見てや常盤の里へかへるらん」の前句に対して、守武が「義朝殿に似たる秋風」と付句したことで有名。この句は、守武の付句に「の心」と入れただけなのに句が完成するのだからさすがに俳聖…。ただし、やっぱり義朝に何処がどう似ているのかは分からない。


「義ともの・・」の句碑(写真提供:牛久市森田武さん)