芭蕉db

去来宛書簡

(元禄5年9月8日 芭蕉49歳)

書簡集年表Who'sWho/basho


払へ共盡せぬものはうき世の事に御座候*。珍夕愈無事に逗留、草庵せばめ、瓢の米をくらひ候*。俳諧、嵐蘭など殊精被*、貴丈御作意上達之段々、珍夕語伝、且見及候而、大悦申事に御座候*
史邦も道筋大かた合点之躰に相見え候*。若貴様御糸しかけにて土圭のうごきにや、無心元存候*。あはれ一力に而一眼被開候處、待而巳に候*。随分御す(ゝ)め候而、上達所□候。
猶別帋、羽黒呂丸子事書付申候。如何様共可然頼存候*
                              はせを
      九月八日

 江戸芭蕉庵から京都の去来宛に書いた書簡。冒頭の一文はいかにも唐突だが、断簡であるための不自然さであって、冒頭に欠落のあったためである。珍夕は、大食漢で、この時期から元禄6年1月迄芭蕉庵に逗留した。