芭蕉db

句空宛書簡

(元禄4年秋 芭蕉48歳)

書簡集年表Who'sWho/basho


御手翰忝拝見*、夜前得閑語珎称(妙)少候*。明日御立可成之旨、後刻貴面御相談可*。追付御入来、是にて御ねころび可成候*。像讃之羲(儀)、発句珎しからず難儀仕候*。ケ様之事にてもかき付可申哉*
     庵の秋歟*

秋の色ぬか味噌つぼもなかりけり

しずかさやゑかかる壁のきりぎりす

御用捨なく可被仰下*。同じくは御免被下候而、外に白紙におもふ事書、進上申度候*。 以上
     即時*
  句空社兄*                    芭蕉末*
        御報

 義仲寺無名庵から昨夜訪れて来た金沢の門人句空宛に書いた至急便。兼好の清貧の画讃についての句の提案やそれについて名案のないことなどが書かれている。