芭蕉db
   殺生石

石の香や夏草赤く露暑し

(曾良旅日記)

(いしのかや なつくさあかく つゆあつし)

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 元禄2年4月19日。『奥の細道』旅中、栃木県那須郡那須町湯元。ここでは、「湯をむすぶ誓ひも同じ石清水」、「落ち来るや高久の宿の郭公」とも詠んだ。

石の香や夏草赤く露暑し

 この石は殺生石のこと。ここからは有毒ガスが噴出している。緑したたるはずの夏草が赤く枯れ、涼しいはずの露が熱く沸騰している。玉藻の前の妖気がまだ漂っているのだろうか?


栃木県那須郡那須町湯本殺生石の句碑。牛久市森田武さん提供。