芭蕉db
   白河の風雅聞き漏したり。いと残
   り多かりければ、須賀川の旅店よ
   り申し遣し侍る

関守の宿を水鶏に問はうもの

(何云宛真蹟書簡)

(せきもりの やどをくいなに とおうもの)

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 元禄2年4月。『奥の細道』旅中、須賀川にて。芭蕉一行は、いま、福島県の須賀川にいる。ここで門人等躬から、初めて白河に芭蕉の大ファンであったディレッタント俳人「何云」<かうん>の存在を聞く。何云と等躬は入魂の中だったらしい。そこで、須賀川の旅篭から書簡を認めた。それが「何云宛書簡」である。書簡中には白河で詠んだ句「西か東かまづ早苗にも風の音」を入れてある。なお、何云は白川藩士。
 

関守の宿を水鶏に問はうもの

 初めてその存在を聞いた何云を白河の関の関守に見立てて、関守の住み処を水鶏に尋ねればよかったのに、と会えなかった侘びを表現した。水鶏は、その鳴き声が家の戸を叩いて訪ね歩いているように聞えることから、住まいについて詳しいと擬人化したもの。