芭蕉db

清滝の水汲ませてやところてん

(泊船集)

(きよたきの みずくませてや ところてん)

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 元禄7年、51歳。京都嵯峨野の野明亭にての句。野明は黒田家浪人。野明の俳号は芭蕉がつけた。去来と親しかった。「涼しさを絵にうつしけり嵯峨の竹」「大井川波に塵なし夏の月 清滝や波に塵なき夏の月」「清滝や波に散り込む青松葉 」も同じ日の作。しかも後者の3つはどれが初案でどれが決定稿か分からない。

清滝の水汲ませてやところてん

 野明への挨拶吟。おいしいところてんですが、これは清滝川の水で作ったものですね。あなたの心遣いがよく分かります。ところてんを誉めることで挨拶吟とした。


清滝は、嵯峨から一山越えた愛宕山からの水を集めた渓谷である。美しい水が今も満々と湛えられている。