芭蕉db

古畑やなづな摘みゆく男ども

(あつめ句)

(ふるはたや なずなつみゆく おとこども)

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 貞亨3年正月なずなは春の七草の一つ。

古畑やなづな摘みゆく男ども

 古畑というのは、春になってもまだ耕されていない去年の秋の収穫後そのままとなっている畑のこと。そこになずなが生えているのであろう。
 古来、なずなを摘むというのは都の上臈たちのものであって、優雅さが売り物である。しかるにここではむくつけき男共がなずな摘みをしている。
 なずなについては以下のような句がある。

四方に打つ薺もしどろもどろ哉

よく見れば薺花咲く垣根かな

一とせに一度摘まるる薺かな