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詞書の「人日」は七日正月の意。この日は、粥を食べる習慣がある。セリ・ナズナ・ゴギョウ・ハコベラ・ホトケノザ・スズナ・スズシロを春の七草という。古来、この日の朝は民家では早起きをして七種をきざむ。「七草、ナズナ、もろこしの鳥が、渡らぬ先に」と掛け声をかけながらきざむ。その声が方々から聞こえてくるが、その調子は合わず「しどろもどろ」なのである。 なお、ナズナに関係する句は他に次のものがある。
古畑やなづな摘みゆく男ども
よく見れば薺花咲く垣根かな
一とせに一度摘まるる薺かな