芭蕉db
   毒海長老、我が草の戸にして身ま
   かり侍るを葬りて

何ごとも招き果てたる薄哉

(続深川集)

(なにごとも まねきはてたる すすきかな)

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 貞亨年間(41歳〜44歳)頃までの作。
 なお、この時期の制作年次不明のものとして、10句がある。ここに出てくる毒海<どくかい>長老という人物の伝は未詳。

何ごとも招き果てたる薄哉

 毒海長老の葬儀が終わった。ススキが風に揺れる姿は人を招いているのだといわれているが、いまススキの原は静まり返っている。もう何もかも招き寄せてしまったので揺れる必要が無いとでも言いたげだ。親しい人を見送った後の空虚感を詠んだ句。