芭蕉db
   人に米をもらうて

世の中は稲刈るころか草の庵

(続深川集)

(よのなかは いねかるころか くさのいお)

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  貞亨年間(41歳〜44歳)頃までの作。草の庵というから、延宝時代末から貞亨年間 、江戸深川の第二次芭蕉庵時代。
 なお、この時期の制作年次不明のものとして、10句がある。

世の中は稲刈るころか草の庵

 前詞の「人に米をもらうて」から分かるように、新米を門人から贈られてはじめて収穫の秋を知ったというのである。言うまでもなく、隠遁者芭蕉ならではの世事のうとさではあるが、能天気とする解釈も成り立つ句。