芭蕉db

吹く風の中を魚飛ぶ御祓かな

(真蹟懐紙)

(ふくかぜの なかをうをとぶ みそぎかな)

句集へ 年表へ Who'sWhoへ


 貞亨年間(41歳〜44歳)頃までの作。
 なお、この時期の制作年次不明のものとして、10句がある。

吹く風の中を魚飛ぶ御祓かな

 この時代、「御祓」は陰暦6月晦日に行う風習があった。この句は画讃といわれているが真偽の程は定かでない。「風そよぐならの小川の夕暮は御祓ぞ夏のしるしなりける」(藤原家隆『新勅撰集』)が脳裏にあっての作。
 御祓をしていると、川の中の魚が飛び跳ねて、吹く風も気持ちよく何ともいえない気分になる。