尾張名古屋の人。貞亨4年11月『笈の小文』の旅の折、蕉門に入る。『あら野』などに入句。
雪のはら蕣の子の薄かな (『春の日』)
けうとさに少脇むく月夜哉 (『あら野』)
名月やかいつきたてゝつなぐ舟 (『あら野』)
ことぶきの名をつけて見む宿の梅 (『あら野』)
とりつきて筏をとむる柳哉 (『あら野』)
しら菊のちらぬぞ少口おしき (『あら野』)
蓑虫のいつから見るや帰花 (『あら野』)
麥まきて奇麗に成し庵哉 (『あら野』)
蚊をころすうちに夜明る旅ね哉 (『あら野』)
おそろしやきぬぎぬの比鉢鼓き (『あら野』)
上下のさはらぬやうに神の梅 (『あら野』)
鈴鹿川夜明の旅の神楽哉 (『あら野』)