近江の人だが、後に尾張津島の蓮花寺に寓居していたという。貞門に入門の後蕉門に入った。俳号は遠方とも。『あら野』などに入句
柴舟の花咲にけり宵の雨 (『あら野』)
夕月夜あんどんけしてしばしみむ (『あら野』)
山吹とてふのまぎれぬあらし哉 (『あら野』)
永き日や鐘突跡もくれぬ也 (『あら野』)
くさかりの袖より出るほたる哉 (『あら野』)
松笠の緑を見たる夏野哉 (『あら野』)
挑燈のどこやらゆかし涼ミ舟 (『あら野』)
虫ぼしや幕をふるえばさくら花 (『あら野』)
あたらしき釣瓶にかゝる荵かな (『あら野』)
たままつり道ふみあくる野菊哉 (『あら野』)
垣越に引導覗くばせを哉 (『あら野』)
鉢の子に木綿をうくる法師哉 (『あら野』)
橋杭や御祓かゝる煤はらひ (『あら野』)