芭蕉db
笈の小文
(豊橋)
三 川の國保美
*
といふ處に、杜國
*
がしのびて有けるをとぶらはむと、まづ越人
*
に消息して、鳴海より 跡ざまに二十五里尋かへりて、其夜吉田
*
に泊る。
寒けれど二人寐る夜ぞ頼もしき
(さむけれど ふたりねるよぞ たのもしき)
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表紙
年表
寒けれど二人寐る夜ぞ頼もしき
ここで芭蕉は、旅を遡行して名古屋から豊橋に戻る。目的は最愛の弟子で流罪中の杜国に会うためであり、杜国の後見役を果たしていた越人と行を共にした。この夜、豊橋の宿で、越人としみじみ杜国の暮しぶりについて語り明かしたのであろう。句としては月並みであるが、情感の吐露された作品。
吉田(豊橋市)神明神社にある「
寒けれど二人寝る夜ぞ頼もしき
」の句碑
(牛久市森田武さん提供)
保美:<ほび>。愛知県渥美町。渥美半島の南端の町。 ここに杜國は処払いされていた。ここは三河なので杜國の故郷尾張名古屋からは異国だからだったのである。
杜国:
Who'sWHO
参照
越人:
Who'sWHO
参照
吉田:現豊橋市。