(元禄3年8月4日 芭蕉47歳)
書簡集/年表/Who'sWho/basho
堅田の門人千那宛書簡。執筆場所は大津か、既に到着した膳所かは不明。
名月態々御隙に被レ成御待可レ被レ成義(儀):<めいげつわざわざおひまになされおまちなさるべきぎ>と読む。前後の文脈からすると、「御待」は「御越」の間違いかと思われる。そうだとすれば、8月15夜に時間を取ってわざわざ来るには及ばない、の意となる。
下り候:江戸に下向すること。この頃はまだ江戸に行くことを計画していたが、実際にはこの年は動かず翌年まで延期された。
名月過にも成事可レ有二御座一候:<めいげつすぎにもなることござあるべくそうろう>と読む。江戸に行くのは、8月15日以降になるかもしれません、の意。
越人も如レ此発句いたし候:<えつじんもかくのごとくほっくいたしそうろう>と読む。越人についてはWho'sWho参照。
いかが候半や:<いかがそうらわんや>と読む。どうでしょう感想は、の意。
能と申にては無二御座一候。先懸二御目一候:<よきともうすにてはござなく、まずおめにかけそうろう>と読む。好いでしょうというのじゃなくて、真っ先に貴方に見せたいだけです、の意。
加生:<かせい>。凡兆の前号。