芭蕉db

杉山杉風宛書簡

(元禄2年9月22日 芭蕉46歳)

書簡集年表Who'sWho/basho


 木因*舟に而送り、如行*其外連衆舟に乗りて三里ばかりしたひ候。

 秋の暮行先々は苫屋哉       木因

萩にねようか荻にねようか はせを

霧晴ぬ暫ク岸に立玉へ    如行

蛤のふたみへ別行秋ぞ    愚句

二見

硯かと拾ふやくぼき石の露

先如此に候*。 以上

    九月廿二日                     はせを


 宛名を欠くが杉風宛と思われている書簡の断簡。『奥の細道』の旅の後遷宮見物に行った伊勢山田から発信されたものと思われる。