徒然草(下)

第204段 犯人を笞にて打つ時は、


  犯人を笞にて打つ時は、拷器に寄せて結ひ附くるなり*。拷器の様も、寄する作法も、今は、わきまへ知れる人なしとぞ。

犯人を笞にて打つ時は、拷器に寄せて結ひ附くるなり:<はんにんをしもとにてうつときは、ごうきによせて・・>と読む。犯人を鞭打ちの刑に処するときには、拷問をする道具に縛り付けたものだ。しかし、今ではこの器具の構造も、縛り方も誰も知らないという。


 これも忘れた方がよい。 作者は、結わえ方にずいぶんとこだわりがあるみたいだが・・。人は縛ったりするものじゃない!


 ぼんにんをしもとにてうつときは、ごうきによせてゆいつくるなり。ごうきのようも、よするさほうも、いまは、わきまへしれるひとなしとぞ。