徒然草(上)

第124段 是法法師は、浄土宗に恥ぢずといへども


是法法師は*、浄土宗に恥ぢずといへども*、学匠を立てず*、たゞ、明暮念仏して、安らかに世を過す有様、いとあらまほし。

是法法師は:同時代の法師で歌人。

浄土宗に恥ぢずといへども:浄土宗の中でも誰にも負けないのだが。負けないのは、後述から、宗論的、学問的にということらしい。

学匠を立てず:学理の看板を立てない、つまり学を誇らない、の意。


 「明暮念仏して、安らかに世を過す有様」は、理想的な生き方だった。


 ぜほうほうしは、じょうどしゅうにはじずといえども、がくしょうをたてず、た だ、 あけくれねんぶつして、やすらかによをすぐすありさま、いとあらまほし。