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駒買ひに出迎ふ野べの薄かな

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駒買ひに出迎ふ野べの薄かな       野明

去來曰、駒買に人の出迎ふたる野べの薄にや。又ハ直ニ薄の風情にや*。野明曰、薄の上也*。來曰、初よりさハ聞侍れど、吾子の俳諧のかく上達せんとハおもハざりし。たゞ驚入侍るのみ。支考曰、句は秀拙ハともかくも、野明此場をしらるゝ事いとふしん也と感吟す*。予此人を教る事とし有。曾て不通*。一とせ先師曰、廿日許の旅ねに秡群上達せり*。常に俳友なく修行むなし。然ども先師をはじめ、丈艸・支考など折ふし會吟して、外のわる功をしられず、おのづからかゝる句も出で來れり*。まことに手筋を尊むべし*。たゞ平生徘意弱きを難とす*