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桐の木の風にかまハぬ落葉かな

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桐の木の風にかまハぬ落葉かな     凡兆

其角曰、是、先師の樫木の等類也*。凡兆曰、しからず。詞つゞきの似たるのミにて、意かハれり*。去來曰、等類とハ謂がたし。同巣の句なり*。同巣を以て作せバ、予今日の吟たる、凩の地にもおとさぬ時雨哉と云巣をかりて瀧川の底へふりぬく霰哉ト言下にいふて、いさゝか作者の手柄なし*。されど兄より生れ勝たらんハ又各別也*