(訃報)
(いざともに ほむぎくらわん くさまくら)
此僧予に告げていはく、圓覺寺の大顛和尚*今 年陸(睦)月 の初、迁化し玉ふよし*。まことや夢の心地せらるゝに、先道より其角が許へ申遣しける*。
(うめこいて うのはなおがむ なみだかな)
愛知県春日井郡西枇杷島町西六軒町正念寺の句碑(牛久市森田武さん撮影)
大顛和尚:<だいてんおしょう>と読む。大顛は、鎌倉円覚寺の第163世住職.貞亨2年1月3日遷化。蕉門の俳人で、幻吁<げんく>が俳号。 其角の参禅の師でもあった 。
迁化し玉ふよし:<せんげしたまう>と読む。「遷化」のこと。遷化とは、僧侶などが仏道教化する場所をあの世に移すという意味をこめた言葉。
其角が許へ申し遣しける:4月5日付で其角宛に書簡を送っている 。