芭蕉db

杉風宛書簡

(元禄5年5月3日 芭蕉49歳)

 

書簡集年表Who'sWho/basho


梶の葉に書こともたぬ我身哉      寸雪*

 
かヾやかしき発句、なるほどむざとしたる句共にても無御座*。此くらひ、世間上手なみかと被存候*。梶の葉ヲ出かされ候様に被存候*。猶其元にても御考可成候*。桃隣集にも入可*、又深川反古さらへなど当秋御思ひ立可成候はヾ、兼而人がら句がらすぐれたるは御書留御置可成候。され共深川集、庵に縁なき衆は入申まじく候*
 
     五月三日
 
   杉風様                                 ばせを

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 杉風が、寸雪(不詳)から句の批評を依頼されて、それについて芭蕉に尋ねてきた手紙への回答文。寸雪の冒頭の句は良いので、これらの句は「桃隣集」や「反古さらへ」などの予定の句集にはどんどん採録していったら良いと書いている。