芭蕉db

天野桃隣

(1639〜享保4年(1719)12月9日、享年71歳)

Who'sWho/年表basho


  本名・天野勘兵衛。通称藤太夫。芭蕉の縁者だが関係は不明。『炭俵』で活躍した。許六を芭蕉に紹介したのは桃隣。彼は、芭蕉没後元禄9年になって師の『奥の細道』の後をたどり、『陸奥衛』を著した。「寒からぬ露や牡丹の花の蜜」は、桃隣の新居祝いに芭蕉が贈った句。

桃隣の代表作

うぐひすの聲に起行雀かな (『炭俵』)

昼舟に乗るやふしみの桃の花 (『炭俵』)

聞までは二階にねたりほとゝぎす (『炭俵』)

五日迄水すみかねるあやめかな (『炭俵』)

五月雨の色やよど川大和川 (『炭俵』)

宮城野の萩や夏より秋の花 (『炭俵』)

紺菊も色に呼出す九日かな (『炭俵』)

市中や木の葉も落ずふじ颪 (『炭俵』)

木枯の根にすがり付檜皮かな (『炭俵』)

道くだり拾ひあつめて案山子かな (『炭俵』)

白桃やしづくも落ず水の色 (『續猿蓑』)

菊の気味ふかき境や藪の中 (『續猿蓑』)