芭蕉db

許六宛書簡

(元禄6年1月12日 芭蕉50歳)

書簡集年表Who'sWho/basho


御細翰辱致拝見、愈御無事被御座候而、珍重不過之奉存候*。先日は早々御入来候て又忝、少之間素堂に罷有、不御意、千萬御残多存候*。年明候而少持病心に罷有候*は、餅のとがめにやと存候。昨日は淡州公へ参、御宅へと存候處、段々他家へ入重り、日半に成候故、延引仕候*。今日と明日、難去隙入御座候間、又延引*、十五日十六日之間に□心懸罷有候間、かならず御尋可申上*。彦根より巻など参候よし珍重、一覧申度候。若急々に逢被成度事も御座候はゞ、十四日御出可成候。大かたは十五六之間、御見舞可申上候。雨天雨風に御座候はゞ、又々延引可仕候。 以上
      十二日                               はせを
   許六雅丈
     貴様

 

 深川芭蕉庵から許六に宛てた書簡。許六が芭蕉を尋ねたときに不在であったことを詫び、近々の許六亭訪問の予定を伝えた一通。芭蕉の繁忙さが伺われて面白い。