芭蕉db

白雪宛書簡

(元禄6年8月20日 芭蕉50歳)

書簡集年表Who'sWho/basho


 折々指出候而迷惑致候に付、盆後閉関致候*。其折の句

朝顔や昼は錠おろす門の垣

  名月

夏かけて名月暑き涼み哉

  弟の信濃にありけるを語て病父を慰るとて

老が子は信濃にもありけふの月    其角

名月や雪見ん為の庭の松     桃隣

此夏ノ句

夕顔に酔て顔出ス窓の穴

いざ子共晝(顔)咲かば瓜むかん

させる事にても無御座候。猶期後音時*。以上
   八月廿日                           はせを
  白雪雅丈
 尚々去歳菅沼長七殿*へも爰元にて懸御目候。唯今は御在城御勤と存候。

 深川芭蕉庵から、三河新城の白雪宛に出した書簡。現存する「閉関之説」後最初の書簡である。