芭蕉db

知足宛書簡

(貞亨4年1月20日 芭蕉44歳)

書簡集年表Who'sWho/basho


新暦之慶賀、重畳申納候*。愈御無事に御重年可成と珍重奉存候*。爰元相替義(儀)も無御座候。其元歳旦など被候哉、承◆(り?)度のみ。爰元三つ物*、京板*に参候よし、定而御覧可成候へ共、もしもしいまだ不参候かと存、句計書付申候*

気晴ては虹立空かよもの春   其角

  歳暮

月雪とのさばりけらし年の暮   愚句

年取や俵ごまめを場につみて  文鱗

其外数多事、指置候。去年、五右衛門殿便りに短尺進じ候*。其後戸田左衛門殿飛脚に遣し候*。相届候哉、無心元存候。何とぞ当年は又々上京、可御意と存候。 以上
   正月二十日            桃青
 寂照居士     

 鳴海の門人下里知足宛真蹟書簡の写しである。新年の賀状であり、江戸蕉門で制作した歳旦帳から発句と第三句までを知足に報せている。