芭蕉db
   雨降りければ

草履の尻折りて帰らん山桜

(俳諧江戸蛇之鮓)

(ぞうりのしり おりてかえらん やまざくら)

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 延宝7年、芭蕉36歳の作。この年、9句が記録されている。

草履の尻折りて帰らん山桜

 あいにく春の雨。この分では草履を履いているとその尻からはねが上がって着物を泥だらけにしてしまうだろう。いっそのこと草履の尻を折って足半(あしなか)にしてしまおう。おっと、折るのは草履だけでなく山桜の枝も折っていこうか。どうせこの雨じゃ花も散ってしむだろうからね。
 談林俳諧の軽妙な句。元気はいいが心に響くことはない句。