芭蕉db
   落梧何某の招きに応じて、稲葉の
   山の松の下涼みして、長途の愁ひ
   なぐさむほどに

山陰や身を養はん瓜畠

(真蹟懐紙)

(やまかげや みをやしなわん うりばたけ)

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 貞亨5年夏、岐阜の商人安川助右衛門別邸にて。助右衛門は俳号落梧。この頃幼子を無くし芭蕉はそれを悼んで「もろき人にたとへん花も夏野哉」を贈っている。この別邸は、稲場山の「山陰」にあった。

山陰や身を養はん瓜畠

 稲場山の山陰にある落梧の別邸に招かれて、長途の疲れを癒すことができる。なにしろ身を養うに十分な量の大好物のウリが実っている。落梧の招待に対する感謝の吟。 芭蕉は真桑ウリに目がなかったようだ。


岐阜市伊奈波通伊奈波神社の句碑。牛久市森田武さん提供