芭蕉db

於春々大哉春と云々

(俳諧向之岡)

(ああはるはる おおいなるかな はるとうんぬん)

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 延宝8年、芭蕉37歳の作。新春祝賀の歳旦句。米ふつ作『孔子賛』に「孔子、孔子、大、哉孔子」(孔子、孔子、大なるかな孔子)とあるのをもじっただけのもの。
 この年17句が記録されている。

於春々大哉春と云々

 新春が来た、春だ、春だ、春はいいなぁ、というのだが、37歳の大の男がこうあっけらかんと初春を寿ぐことはないだろうから、如何にも歳旦句として無理して作ったものと思われる。
 なお、第3句「云々」は、『論語』などで、多く「師曰く・・・と、云々」の統辞形式がとられるのを作為的に導入したもの。