芭蕉db
   岱水亭にて

影待や菊の香のする豆腐串

(杉丸太)

(かげまちや きくのかのする とうふぐし)

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 元禄6年9月中頃。岱水<たいすい>亭にて影待の行事に招かれた時の作。これとは別に、この年の夏にも岱水亭に招かれて「雨折々思ふことなき早苗哉」と詠んでいるが、前回が雨だったので再度岱水は影待に芭蕉の招待を計画したのであろう。

影待や菊の香のする豆腐串

  影待の行事に招かれて、美味な串豆腐を頂いていると、何処からとも無く馥郁たる菊の香が漂ってくる。「豆腐串」とは豆腐の味噌田楽のこと。そういえば芭蕉の生地伊賀上野は豆腐田楽のおいしい所である。