芭蕉db
   盛信亭

風の香も南に近し最上川

(曾良書簡)

(かぜのかも みなみにちかし もがみがわ)

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 元禄2年6月2日。『奥の細道』旅中、大石田から羽黒山に行く途中新庄きっての豪商澁谷九郎兵衛宅にて。九郎兵衛は前日訪ねた甚兵衛の本家当主。そこでは、「水の奥氷室尋ぬる柳哉」と詠んでいる。

風の香も南に近し最上川

 白楽天の詩「薫風は南より至る」を引用した挨拶吟。盛信の亭は、最上川が南を流れ、南が大きく開けている。川風は折からの南風に乗って流れてくるからよい香の風となる。盛信への挨拶吟。