芭蕉db

わが宿は四角な影を窓の月

(芭蕉庵小文庫)

(わがやどは しかくなかげを まどのつき)

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 貞亨元年(41歳頃)頃から死の元禄7年(51歳)までの間。『蕉翁句集』では貞亨元年とする。
 なお、この時期の制作年次不明のものとして、58句がある。

わが宿は四角な影を窓の月

 私の庵は、小さな庵だが四角い窓があって、そこから四角く月光が射して来る。影は陰の暗いshadowではなく、「月影青く」の類の光の当っている部分をいう。「わが庵は都のたつみ鹿ぞすむ世をうぢ山と人はいふなり」(『古今集』喜撰法師)が意識の中にあるかもしれない。