芭蕉db

一時雨礫や降って小石川

(六百番俳諧発句合)

(ひとしぐれ つぶてやふって こいしかわ)

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 延宝5年、芭蕉34歳の時の作。芭蕉は、この年に俳諧宗匠として立机(プロの俳諧師になること)したらしい。この年22句が現存する。

一時雨礫や降って小石川

 江戸小石川は、時雨がさっと降ってきて、そのとき石つぶてが川となったから小石川だというのかしら。なんの面白味もない句である。そもそも「小石川」は、小石の多い小さな川だったのでこう呼んだとされている。
 なお、芭蕉はこの頃、神田上水浚渫工事の管理業務を請け負っていた。 だからしばしば小石川後楽園や江戸川小石川上水、水道橋、関口大洗堰あたりを歩いていたのである。


東京小石川(傅通院)澤蔵司<たくぞうす>稲荷社にある句碑(牛久市森田武さん・さいたま市高野則義さん提供)