芭蕉db
   田中の法蔵寺にて

刈り跡や早稲かたかたの鴫の声

(笈日記)

(かりあとや わせかたがたの しぎのこえ)

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 貞亨5年秋。『笈の小文』と帰路、広井村田中山法蔵寺(現名古屋市西区新道町)にて。『笈日記』では、「覓閑三句」<かんをもとむさんく>として「粟稗にとぼしくもあらず草の庵」などと共に掲出。

刈り跡や早稲かたかたの鴫の声

 稲刈りの済んだ早稲田では、その落穂を拾おうというのか早くも所々にシギがやって来て秋の声を響かせている。「かたかた」は「方々」でところどころの意。