芭蕉db
   石川北鯤生おとうと山店子、わが
   つれづれ慰めんとて、芹の飯煮さ
   せてふりはへて来る。金泥坊底の
   芹にやあらんと、その世の佗も今
   さらに覚ゆ

我がためか鶴食み残す芹の飯

(続深川集)

(わがためか つるはみのこす せりのめし)

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 天和年間の作、但し作句年次の詳細は不明。このような句が15句ある。石川北鯤<いしかわほくこん>なる人物は不詳。したがってその弟の山店<さんてん>も未詳である。

我がためか鶴食み残す芹の飯

 山店が芹の飯を持ってきてくれた。そういえば杜甫の詩にある「飯には煮る青泥坊底<せいでいぼうてい>の芹」の芹で作ったものらしい。それは鶴が私の為に食べ残してくれたに違いない。それを山店が持ってきてくれたのでしょう。